兵庫県警葺合署は22日、試合前に同僚を殴って重傷を負わせたとして、傷害の疑いで元プロレスラーの無職多留嘉一容疑者(47)と、プロレスラー正田和彦容疑者(36)を逮捕した。

 逮捕容疑は全日本プロレス(東京)の試合を控えた5月29日午後1~2時ごろ、神戸市中央区の「神戸サンボーホール」会議室で、「スーパー・ヘイト」のリングネームでプロレスラーだった平井伸和さん(41)の顔面を拳で殴り、急性硬膜下血腫の重傷を負わせた疑い。

 葺合署によると、平井さんは試合後に倒れ、重度の記憶障害などが残り現在も入院している。平井さんの母親が10月に告発。捜査の結果、試合前に殴られたことが原因と判断した。

 両容疑者はいずれも容疑を認め「日ごろの態度が悪いことを叱ったが、反省の色が見られず殴った」と供述している。

 当時、多留容疑者は「TARU」のリングネームを名乗る無所属のレスラーで、悪役グループをつくり全日本プロレスに参戦。「MAZADA」として活動していた正田容疑者と被害者はこのグループの同僚だった。