<スターダム>◇8日◇新木場1st

 RING◇観衆408人(超満員札止め)

 愛川ゆず希(29)が全力女子を脱退してヒールに転向した鹿島沙希を“制裁”した。鹿島への怒りはランバージャックルール採用へと発展し、場外カウント5までがセコンドの介入も認められるという、スターダム初の遺恨試合に場内は緊張感に包まれた。序盤こそ、ドロップキックによる奇襲攻撃をきっかけに鹿島に攻め込込まれたが、すぐさま蹴りの連打から後ろ回し蹴りを決めて反撃。

 愛川はパイパイアタックを狙おうと反対側のコーナーへ立ち、距離を測ったところで木村響子に足を救われ、劣勢になる場面もあった。それでも、余裕をもって試合を運ぶ愛川は、勝負どころでYKレッド、YKブルー、さらにはダメ押しとばかりもう一度、YKレッドと七色のゆずポンキックを叩き込む。完全にダウンし、戦意喪失の鹿島に対し、髪をつかんで引きずり起こそうとするも、ここでレフェリーがストップをかけ、愛川の勝利を宣言した。完勝と言えるKO劇だった。

 愛川は「レフェリーが気を遣って止めたみたいですけど、完全に私の勝ちですよね。これ以上、鹿島とは闘っても意味がない。前回の美闘陽子とのタイトル戦を腰のけがで欠場してしまいました。次の後楽園、その悔しさをぶつけて勝ちたいと思います」とリングサイドにいた美闘に宣戦布告。次の7月22日、新木場で前哨戦をしたいと思うんですが、タッグとなるとパートナーが…。松本選手、夕陽選手、宝ちゃん(宝城)…」と全力女子のメンバーの名前を挙げたところで何と高橋奈苗がリングイン。「いい人いるじゃないですか!白いベルトと言えば赤いベルト、この私だ!」と言って愛川の隣に立った。すると、美闘の隣には松本浩代が立ち、「高橋奈苗がそっちなら、わたしはこっちに立つ」とアピール。これで7・22新木場大会は高橋、愛川組-美闘、松本組という、前哨戦としては豪華なカードが決まった。これには愛川も「なんかこれ、すごいことになったんじゃないですか」と感心するばかりだった。