プロレスラー藤波辰爾(58)の長男・怜於南さん(19=立大1年)が14日、英国ウィガンへのレスリング留学から成田着で帰国した。カール・ゴッチ、ビル・ロビンソンらを生んだ“蛇の穴”ビリー・ライレー・ジム後継のアスプル・レスリング・クラブで17日間にわたりトレーニングした。

 主宰者のロイ・ウッドの指導の下で3部に分けて、1日に6時間の練習を積んだ。午前中はランニングやマシンでの体力づくり。午後の2回は関節技や、スパーリングなど、英国伝統のレスリング“キャッチ”の取得に励んだ。

 怜於南さんは「バカバカ投げられて、押しつぶされた。自分には、まだまだやらなくてはいけないことがたくさんあるのを思い知った」。ウッドからは「キャッチのスタイルを学んで、日本の人たちにも見せてくれ」と言われた。「プロレスというより基礎の部分ですが、父も実践してきたスタイル。今の若いファンに見せられるようになりたいですね」と怜於南さん。

 デビューについては「1日も早くしたいけど、ロープワークも受け身の練習もまだ。じっくりと勉強していきたい」。今後は大学で勉強を続けながら、トレーニングを積む。「今回の滞在で、文法とかはグチャグチャなんですが、英語のヒアリングでニュアンスが分かるようになった。結構、会話ができるようになりました。レスリングの習得にも必要なので、さび付かないようにしたい」と笑顔を見せた。

 出迎えた父・藤波は「目的を持って初めて英国へ行って、何を感じてきたかだと思う。レスリングに関しては簡単にはいかないけれど、取っ掛かりをつかんできたと思う」と話した。