<全日本プロレス:後楽園大会>◇23日◇東京・後楽園ホール◇観衆1096人

 デビュー40周年を迎えた渕正信(60)が脅威のドロップキック3連発を披露した。秋山、金丸と組んで井上、西村、ウルティモドラゴン組と対戦。

 先陣を切った渕は、観客の「もう1回コール」を受けドラゴンにボディースラム4連発。高々と持ち上げ静止してからマットにたたきつける美技に、場内から歓声が上がった。さらに、井上にドロップキック3連発を見舞い、3カウントを奪った。故ジャイアント馬場さんを始め、還暦の試合は過去にもあるが、ドロップキックは極めて異例。2月に白内障の手術をしてから3カ月ぶりの試合となった渕は「思い出に残るような試合ができた。まだまだ引退宣言しなくてすみそうで良かった」と、満足そうに試合を振り返った。40周年で思い出に残る試合は1998年1月23日のジャイアント馬場還暦試合。馬場さんに、最後にジャンピングネックブリーカードロップを掛けられたのが渕だった。「馬場さんの生涯最後の技を受けたんだ。オレが抑え込まれて負けたけど、これ以上の思い出はないね。馬場さんと同じように還暦試合ができるなんてね」としみじみと話していた。