<戦極:旗揚げ大会>◇5日◇東京・代々木第1体育館◇観衆1万5523人
吉田秀彦(38=吉田道場)が再出発に失敗した。総合格闘技の新団体「戦極」旗揚げ戦で、約1年3カ月ぶりにリング復帰。メーンイベントで強豪ジョシュ・バーネット(30=米国)と対戦したが、3回3分23秒、足首固めで敗れた。これで3連敗となり、格闘家人生で初めてタップを奪われた。
屈辱的な敗北だった。吉田は開始早々にバックドロップで投げられ、その後はバーネットにマウントを奪われ続けた。2回に練習してきたボクシングのパンチを当てる場面もあったが、有効打にはならない。3回に足首固めを決められ、柔道家時代を含めて初のタップ負けを喫した。
試合後、数分間も動くことができなかった。肉体的なダメージに加えて、心にも大きな傷を負った。1年3カ月ぶりの復帰戦、新団体旗揚げ戦、そしてメーンイベント。満を持して上がったリングで、格闘人生初のタップをした。試合後は会見にも姿を現さず会場を後にした。
レスリング出身で足関節技を得意とするバーネットに対し、あえて柔道着を着てリングに立った。技を掛けられれば滑りにくいため不利になる。「着るかどうか直前まで考える」と悩んだ末、日の丸を背負う柔道家としての勝利にこだわった。その意気込みは結果的に裏目に出てしまった。
主戦場としていたPRIDEが、昨年4月の大会を最後に消滅した。その後はUFCなど海外からオファーもあったが、日本の格闘技の灯を消さないため、国内で新たな戦いの場を模索してきた。戦極は吉田のために旗揚げされた団体だった。どうしても勝ちたい。今年1月からは元プロボクシング世界王座2階級制覇の戸高秀樹(34)に弟子入り。不得意な打撃にも磨きをかけていた。
これで06年7月以降総合格闘技3連敗。38歳という年齢は格闘家として決して若くはない。再起をかけたリングでのタップ負けは、吉田の格闘人生を大きく左右するかもしれない。【山田大介】

