WBC世界フライ級王者の内藤大助(33=宮田)が「極貧生活」から完全に別れを告げる。前王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)と引き分けて王座死守から一夜明けた9日、都内で会見。家賃約8万円のアパートを出て、持ち家を購入する考えを明かした。

 ドローとはいえ、最強挑戦者のハードルはクリア。次戦から興行権も手に入るため、ファイトマネーもアップする。内藤は「家族に恩返しがしたいな。かみさん(真弓夫人)には苦労を掛けたから」と、一戸建てかマンションかの検討に入った。

 家族のためだけでなく、若いボクサーたちに夢を与えるための決断だ。夫婦で月収12万円の生活からわずか8カ月で、ビッグマネーを得るまでになった。最近では珍しいジャパニーズドリームでボクサーの可能性を広げた。「後輩たちが頑張れば家も買えると思ってくれれば」と話した。

 試合直後の前日深夜にはバラエティー番組を収録、この日も朝からTBS系「サンデージャポン」に生出演するなど、あらためて注目度の高さを証明。今後はしばらく休養した後、今月下旬には夏のV3戦に向けて始動する。【田口潤】