韓国陸軍から帰宅措置を受けていたK-1ファイターの崔洪万(27)が、脳腫瘍(しゅよう)の除去手術を受けることになった。韓国の兵務庁は2日、崔の兵役免除を正式に発表した。以前から指摘されていた脳腫瘍が主な理由と見られる。崔は4月下旬に「兵役免除となれば手術を受ける」と明かしており、早ければ今月中にも腫瘍の除去手術を受ける。

 218センチの巨漢と愛くるしい笑顔で人気の崔が、脳腫瘍の除去手術に踏み切る。4月21日に韓国・原州にある陸軍第36歩兵師団訓練所に入所。4週間の訓練後、25カ月間の兵役を務める予定だったが、先月28日に行われた再検査の結果を受けた韓国の兵務庁はこの日、「崔の兵役を免除する」と正式発表した。崔は4月下旬に行われた韓国メディアのインタビューに「兵役が免除となれば(脳腫瘍除去の)手術を受ける」と話していた。

 K-1を主催するFEGの谷川貞治イベントプロデューサー(EP)も「いずれは手術を受けさせるつもり」と発言していた。K-1では9月27日に崔の出場する「K-1

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 開幕戦」を韓国で控えていることもあり、脳腫瘍の除去手術は早ければ今月中にも施術されることになりそうだ。

 もっとも崔が手術後にリングに復帰できるかは微妙な状況だ。男性の義務でもある兵役をまっとうできなかった人間の格闘技界復帰を、韓国の世論が「よし」としない可能性が高い。すでにインターネットなどでは「兵役には就けず、格闘技はできるとはどういうことだ」という非難の声も相次いでいる。また仮に世論に受け入れられても、「脳の手術を受けた人間が頭を殴られる」ことへの健康面からの反発も予想される。

 K-1人気は韓国でも絶大で、崔は最大のヒーローでもある。それだけに今回の兵役免除と脳腫瘍除去手術は、格闘技界を超えた大きな波紋を起こしそうだ。【山田大介】