東日本ボクシング協会が亀田興毅(21)大毅(19)兄弟の「仮所属(身分預かり)」申請を却下することが決定的になった。同協会は3日、理事の非公式会合に亀田兄弟の父史郎氏(42)を同席させて事情を説明し、認可は難しいとの趣旨を伝えた。亀田兄弟が日本のリングに立つためには移籍か独立の道が残るが、亀田サイドとしては「亀田ジム」設立の方向で動くことになる。また父史郎氏は先月のテレビ出演での不適切発言について、大橋秀行会長らに謝罪した。

 東日本協会はこの日、非公式の会合に史郎氏を呼び、事実上「仮所属」を却下する意向を伝えた。今後、亀田兄弟が日本のリングに立つためには、移籍か独立しかない。グリーンツダ、協栄と2度も所属ジムと移籍トラブルを起こした経緯を考えれば、亀田一家で独立して「亀田ジム」で再出発を目指すことになる。

 亀田陣営は先月、同協会に兄弟の「仮所属」の申請を出した。だが、理事会では継続審議となった。この日、同協会は史郎氏に対して、過去の例は、ジムの閉鎖などによる救済措置で、今回のようなジムと対立して離脱した選手に適用したことはないことを説明した。

 同協会には、今回のケースを認めればジム制度の崩壊につながるとの意見が根強く、9日の理事会で「仮所属」却下の結論が出ることが決定的になった。今後、亀田サイドは独立の方向で動くが、新ジム設立は早くても夏以降になるため、興毅は海外で復帰戦を行う可能性もある。

 また史郎氏はこの日、先月のテレビ出演の際、亀田兄弟の同協会への「仮所属」申請が却下された場合は直談判を辞さないなどと発言したことについて、大橋会長らに頭を下げた。史郎氏の謝罪について、亀田プロモーションの五十嵐マネジャーは「テレビ番組の中で大橋会長の個人名を出したり、協会に敵対意識を持っているような印象を与えたことを謝りました。今後は同協会と協力してやっていきます」と説明した。

 新ジム設立には同協会理事会の承認が必要で、関係を修復することは「亀田ジム」設立への障害を取り除くことにもなった。9日の理事会で「仮所属」が正式に却下されれば、亀田の所属問題は新たな局面を迎える。