<戦極第三陣>◇8日◇さいたまスーパーアリーナ

 吉田秀彦(38=吉田道場)が1回2分33秒、モーリス・スミス(46=米国)にけさ固めで2年1カ月ぶりの勝利を挙げた。序盤こそ相手の打撃に付き合うそぶりも見せながら、チャンスと見るや相手の首に腕をかけ、一気にグラウンドへ持ち込んでタップを奪った。06年7月から3連敗を喫しており、引退をかけて臨んだが、ひとまず回避。「グレイシー一族最後の大物」といわれるホジャー・グレイシー(26=ブラジル)との対戦も現実味を帯びてきた。

 吉田は、柔道時代から慣れ親しんだ「けさ固め」で約2年ぶりの勝利を決めた。1回、相手の首に左腕をからませてテークダウンを奪い、頭を抱えて力を入れていく。「いい具合に入っていたので行けると思った」。戦極での初勝利に両拳を突き上げた。

 背水の陣で臨んだ試合だった。06年5月に西島洋介に勝った後は3連敗。吉田のために作られたともいえる戦極の旗揚げ戦では、ジョシュ・バーネットに格闘技人生で初のタップ負け。38歳という年齢もあり「負けたら終わりだと思っていた」と引退も考えていた。自身の不安を打ち消す完勝劇に「うれしさ半分、ホッとしたの半分だね。今夜は久しぶりに飲めるよ」。対戦決定以降は封印していた酒の解禁も宣言した。

 引退回避で「グレイシー一族最後の大物」と呼ばれるホジャーとの対戦も現実味を帯びてきた。「やれと言われれば誰とでもやる」と吉田。マッチメークを担当する國保尊弘広報は「ホジャー戦?

 体重を落としてライトヘビー(93キロ)でやってもいいし、私見だがジャケットマッチなども面白い」と話す。「オヤジ」と自嘲(じちょう)気味に話す吉田の格闘技人生は、まだ終わりそうにない。【山田大介】