18日に日本武道館でGHCヘビー級王座に挑戦する力皇猛(35)が、サーフィンパワーで王者森嶋猛(29)を打倒する。17日、都内の道場で約3時間汗を流した力皇は「サーフィンで培った勝負どころでの集中力を見せたい」と、2年8カ月ぶりの王座奪還に意欲を見せた。

 サーファーになったのは5年前だった。知人の紹介で米国ハワイ州出身の伝説のサーファー、バファロー・ケアウラナ氏(73)を紹介されたことがきっかけだった。もともと自然に触れるとが好きで、すぐにとりこになった。体重125キロだけにサーフボードは特注。1人乗りの9フィート(約270センチ)以下のサイズが一般的だが、力皇は2人乗りの10フィート(約310センチ)を愛用。値段も28万円と、一般的なものより約8万円ほど割高だ。夏のシリーズの合間に、茨城の鹿嶋や潮来の海岸で腕を磨いている。

 昨年8月の頸椎(けいつい)損傷後は封印していたが、19、20日に神奈川・鵠沼海岸で開催されるバファロー・ビッグボード・サーフィン・クラシックに参戦予定。タイトル戦翌日で、ケアウラナ氏もゲスト参加するだけに「タイトルを取っていい報告をしたい」という。高波に乗る勇気、タイミングをつかむ集中力と勝負勘をサーフィンで養った力皇が、森嶋という荒波を乗り越える。【塩谷正人】