<新日本:北海道大会>◇21日◇札幌・月寒アルファコートドーム◇5700人

 全日本のIWGPヘビー級王者武藤敬司(45)が、新日本の挑戦者中西学(41)を23分50秒、月面水爆からの体固めでフォール勝ちし初防衛に成功した。古傷の両ひざに加え、前日20日の全日本開幕戦で小島聡(37)に食らったエルボーで頸椎(けいつい)も損傷。満身創痍(そうい)の45歳が気力を振り絞り、現在新日本最強の中西を退けた。試合後は、8月31日の全日本両国大会での挑戦者募集を宣言した。

 苦しい初防衛だった。初戴冠を目指し、絶好調の中西が驚異的な身体能力で武藤に襲いかかった。アルゼンチン式背骨折り、左ひざへのドラゴンスクリュー、そして必殺の大☆中西ジャーマン。ことごとく耐え抜いた武藤がネックスクリューで挽回(ばんかい)し、最後はシャイニングウィザード7連発からの月面水爆でとどめを刺した。「戦って、あらためて、なぜあいつが王座になれねえのかわからねえ」と中西の強さをたたえた。

 満身創痍で戦い続ける。数年前に、武藤がホスト役のテレビ番組でプロスキーヤー三浦雄一郎さん(75)と対談。年齢に関係なく、常に命がけの冒険を追い求める姿勢に感銘を受けた。その三浦さんが今年5月、75歳でエベレスト登頂。「人間生まれた時から死ぬまで戦い。三浦さんは常に戦いを求めてたね。おれもこうありたい」と防衛戦のモチベーションにしていた。

 長期防衛も視野に入った。9日から3日間、ベルト持参で台湾のイベントにゲスト参加した。台湾ロック界のカリスマ伍佰(ウーバイ)との対談に、地元マスコミ数十社が取材に訪れ、ベルトを巻いた武藤の姿がメディアに流れた。11月16日に台湾興行も決定。「この時まで保持してなかったらかっこ悪いだろ」と自らにプレッシャーをかけた。

 試合後、王者の口から爆弾発言が飛び出た。「8月31日、うちの両国大会に乗り込む勇気のあるやつは誰とでも挑戦を受ける」と宣言。全日本マット初のIWGPヘビー級タイトルマッチ開催を提案し、控室に消えた。【塩谷正人】