東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)の本部が12月にもオーストラリアから東京に移転することが4日、分かった。11月のWBC総会(中国・成都)で正式に決定する。日本ボクシングコミッション(JBC)が管轄し、改革することで、地位低下が叫ばれていた東洋太平洋タイトルの価値を高め、権威を取り戻す狙いがある。

 東洋太平洋タイトルは、世界へのステップと長らく位置づけられていた。元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史氏らが、日本、東洋太平洋の両王座を取ってから、世界へ駆け上がった。だが、最近は、地域タイトルの乱立、韓国など加盟国の弱体化の影響で、権威が低下。日本王座の方が実力上位といわれる階級が増えるなど「逆転現象」が起きていた。

 同タイトルの価値を取り戻すために、加盟国の中でも、実力上位で国内の組織が確立している日本に本部を置くことになった。今後は加盟国の枠を取り払い、より実力主義のランキングに見直す。日本王座とのダブルタイトル戦を増やすなど、レベルの高い試合で活性化を図るなどのプランがある。JBCの安河内事務局長は「日本が主導権を持って改革を進め、かつてのように東洋太平洋王座を世界へのステップに戻したい」と話した。