WBC世界フェザー級9位の粟生隆寛(24=帝拳)が、「サブちゃん魂」で世界王座奪取を目指す。同級王者オスカー・ラリオス戦は16日、東京・代々木第1体育館で行われる。都内で調印式が行われた14日、演歌歌手北島三郎(72)から激励の言葉が届いた。これまで粟生ファンの北島から会場で応援してもらったが、今回はレコーディングで観戦できないためメッセージで激励された。観客を魅了する北島のプロ魂を見習い、激しい戦いで世界王座を奪取して大御所に恩返しする。

 最高の励みだった。試合2日前の調印式後、粟生の大ファンで演歌歌手の北島からメッセージが届いた。当日はレコーディングで観戦できないが「今までの積み重ねを信じて、力を発揮すれば、結果はついてくる」(中略)との言葉を送られた。粟生は「自分のボクシングを見続けてくれた人の言葉。ありがたい」と勇気をもらった。

 日本ランカーだった昨年1月、ボクシング会場で偶然出会った。北島から「応援してる。頑張って」と声を掛けられた。感激した粟生は以来、自分の試合に招待し続けた。昨春には逆に新宿コマ劇場の座長公演に招待された。サービス精神旺盛で観客を熱狂させた圧巻のステージは今でも目に浮かぶ。「(王者の)ラリオスにはないけど、北島さんにはオーラを感じた」と振り返る。

 その「サブちゃん魂」を胸に刻んで、初の大舞台に立つ。防御重視のボクシングで高校1年から74連勝。負けないボクシングは玄人受けはするものの、不満の声も多かった。だが、今回は違う。「きれいに勝とうとは思わない。死に物狂いでベルトを取る。ジャンルは違いますけど、観客を満足させるという点では(北島と)同じです」。

 ビジュアルでも魅せる。日の丸の赤を勝負カラーに、トランクス、シューズを赤にした。観客には見えないが、赤に白(星)の水玉が入った勝負パンツをはいて気持ちも高める。「世界王者になったら、北島さんに少しは近づけますかね。紅白で歌っちゃいますか」。北島からの激励メッセージで、世界初挑戦の重圧も消えた。【田口潤】