タイで5年ぶりに再起した元WBC世界バンタム級王者辰吉丈一郎(38)の件で、日本ボクシングコミッション(JBC)は15日、所属の大阪帝拳ジムに引退を説得するよう正式に要請することを決めた。16日に中山喜治・JBC関西事務局長が高知の試合会場を訪問、同ジムの吉井寛会長に要請する。

 ボクサーの厳格な健康管理は世界的な主流であり、JBCは健康に不安を抱える辰吉の現役続行に一貫して反対姿勢だ。辰吉の国内ライセンスは既に失効しているが、安河内事務局長は「ジム制度は日本ボクシング界の根底。今も辰吉選手は大阪帝拳の人間」と主張。その上で「ジムと辰吉がしっかり話をしないといけない」と話した。大阪帝拳ジムは過去に引退勧告を繰り返したが、辰吉が拒絶する状態が続いていた。中山関西事務局長は「大きな花道をつくって引退してくれるように説得してほしい」とジム側に期待した。