男女を通じて国内最年長ボクサー猪崎かずみ(45)が、世界初挑戦することが22日、所属の花形ジムから発表された。北朝鮮のWBC女子世界スーパーフライ王者の王座返上にともない、2月28日にメキシコのオアハカ州で、暫定王者から正規王者に昇格したアナマリア・トーレス(28=メキシコ)に挑戦する。勝てば45歳363日で、世界ヘビー級のジョージ・フォアマン(米国)の45歳298日を抜く世界最年長記録。猪崎が「花形会長とは冗談で『ギネスに申請しようか』と話した」と笑うと、同会長は「申請するでしょう!」と宣言した。

 一方、猪崎の世界戦と並行するように同級の暫定王者決定戦が計画されていることが分かった。協栄ジムの藤本りえ(25)が、猪崎が挑戦する約2週間前の2月13日、タイ・バンコクでウサニコン・ゴーキャットジム(22=タイ)と暫定王座を争う予定で、タイ側から国内のマッチメーカーに「WBCから承認された」と連絡が入ったという。

 しかし、正規王者が決まらないうちに暫定王者を決めるというのは分かりにくい話で、花形会長は「正規王者を決める試合があるのに、暫定王者をつくるのはおかしい感じだ」と話す。日本ボクシングコミッションは「WBCからはまだ(暫定王者戦の)連絡を受けていない」としている。【森本隆】