<プロボクシング:東洋太平洋ライト級王座決定戦12回戦>◇29日◇東京・後楽園ホール

 東洋太平洋ライト級王座決定戦が29日に東京・後楽園ホールで行われ、同級2位長嶋建吾(33=18エイティーン古河)が新王者となった。同級1位ランディ・スイコ(29=フィリピン)に、足を使って3-0で判定勝ち。スーパーフェザー級に続き、初めての日本と東洋太平洋王座2階級制覇を達成した。24日に亡くなった辻昌建選手は同じ法大ボクシング部出身で遊び仲間だった。後輩へ手向けの勝利をステップに、2度目の世界挑戦で王座獲得を狙う。長嶋は36勝(17KO)3敗2分け。

 長嶋は「辻のためにも勝ちたかった」とリングからあいさつした。国体3連覇を機に法大を1年中退でプロ転向。辻選手は3歳下の法大主将で、当時から付き合いがあった。その後も辻選手が所属する帝拳ジムへは、頻繁に出げいこしてきた。「慕ってくれてよく遊んだ仲。会場のどこかに来ていたと思う」としんみりと話した。試合はジャッジ2人が8ポイント差の快勝も「成果もあったが、力んで倒せなかった」と不満顔だった。史上初の4冠も通過点。02年以来の世界挑戦へランクも上昇する。「年で白髪も出てきたので、どこでも、誰でも、辻のためにも」と、世界再挑戦のチャンスを熱望した。