<プロボクシング:WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇11日◇大阪府立体育会館◇観衆3895人

 冨山浩之介(25=ワタナベ)はいきなり奪ったダウンが裏目に出た。開始43秒、タイミングいい左フックで尻もちをつかせた。最高の出だしも「早くとりすぎ、色気が出て、あとは狙いすぎた」。6回にもダウンを奪ったが、左ガードが下がる「一番悪い癖」を突かれ、右を何度も浴びる。「8回まで倒す」と宣言していた、その8回に最後の右をもらった。

 大阪での世界戦発表時に取材されたのは1人で、専門誌にも「無名」と書かれた。「家族のためにリングで稼ぐ」と、強気な発言で通した。名城を上回る20戦目も、王者は5度目の世界戦。見せ場はつくったが、キャリアの差が出た。渡辺会長は「世界戦のキャリアと体力負け」と認めた。「絶好調で勝てなかった。ピエロ。子供もいるのでやめます」と、冨山はすっぱり引退を口にした。