急性骨髄性白血病で1月に緊急入院していた格闘家ノブ・ハヤシ(31=ドージョーチャクリキ・ジャパン)が6日、都内の病院を退院した。あいにくの雨にも、病院を出たノブは「窓が開けられなかったから風が気持ちいい。『あ、今は夏か』って感じ」と笑った。

 無菌室での闘病生活は約半年間。5回の抗がん剤治療では、40度超の高熱に苦しんだ時もあった。まゆ毛も抜けた。だが「悪い方向に考えることはなかった」と病に向き合って乗り越えた。退院後も再発の恐れはあり、外出時はマスク着用で食事は生ものを避ける。「貧血気味になった」こともあり激しい練習はできない。生活に制限は多いが、悲観せずに前を向いた。

 ノブ

 恩返しはリングで見てもらうことしかない。病気もあるし31歳だし、現役でどこまでいけるか分からない。トボトボしてられません。来年夏には試合をしたいですね。

 退院後にしたいことを聞かれると「退院できたのは支えてくれた人のおかげ。お礼を言いにいきたい」と、はにかんだ。「これからですね」。病に完全に打ち勝つ日まで、感謝の気持ちを持ってファイティングポーズをとり続ける。【浜本卓也】