戦極と契約した石井慧(22)が2日、総合格闘技デビュー戦の相手として吉田秀彦(39=吉田道場)を事実上指名した。「戦極第九陣」の途中休憩後、石井は戦極に参戦する柔道の五輪メダリストの吉田、滝本誠、泉浩とともにリングに登場。マイクを握ると「この(3人)中で対戦したい人がいます」とニヤリと笑った。3人でヘビー級の石井と同じ階級は吉田だけ。来年1月予定とされる大会で、2人の五輪金メダリスト対決が現実味を帯びてきた。

 戦極との契約後、初のリングで、スーツ姿の石井がデビュー戦で希望している対戦相手を示唆した。

 石井

 初戦の相手をこの中でしたい人がいます。それは泉(浩)先輩…ではありません。

 リング上にはヘビー級(93・1キロ以上)希望の石井のほか、ウエルター級(76キロ以下)の滝本、ライトヘビー級(93キロ以下)の泉と、吉田がいた。ファンも察しがつき、かたずをのむ。しばしの沈黙後、石井は「あとは戦極に任せます」と、いたずらっぽく笑った。

 明言こそしなかったが、同じヘビー級である大先輩の吉田に、事実上の挑戦状をたたきつけた格好だ。吉田は「みんなライバル。もしかしたら戦うことになるかもしれないけど、先輩後輩抜きに、ぶん殴ってください」と、こちらも事実上、了承した。

 石井のデビュー時期について國保取締役は「早ければ11月(7日、両国国技館)。もしくはニューイヤーかどちらか」と絞り、吉田戦なら「ニューイヤーなら可能性は非常にあると思う」と話した。戦極側は注目のデビュー戦を大会場で行いたい意向がある。同取締役が「必ず実現しなきゃいけないカード」と話す吉田と石井の対決は新年大会で実現する可能性は十分にある。【浜本卓也】