WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(32=帝拳)が、本場ビッグファイトの前哨戦に臨む。帝拳コンビのダブル世界戦が11日、都内のホテルで正式発表された。10月10日に東京・代々木第2体育館で、西岡は3度目の防衛戦。2階級制覇を狙う同級6位イバン・エルナンデス(26=メキシコ)と対戦する。これを撃破すれば、次戦は海外で2階級王者ラファエル・マルケス(34=同)と対戦交渉に入る。

 西岡の夢が目前に迫ってきた。ようやく相手が決まったが「相手は誰でもいい。ビッグファイトにつながる試合をしたい」。先を見据える王者に、本田明彦会長(61)もプランは用意していた。「これに勝てば次は海外になる。マルケスと交渉に入る」と明言した。

 マルケスは元同級王者で、IBFバンタム級と2階級を制覇したメキシコの実力者、世界的な知名度も高い。西岡は前回、日本人として24年ぶりの海外防衛に成功。マルケスはその前座で「挑戦者決定戦」に勝利。現在同級1位にランクされる。本田会長は「リナレスと海外でダブル世界戦もあり得る」とも話す。

 今回の3度目の防衛が条件となる。エルナンデスは04年にWBOスーパーフライ級王座を獲得。減量苦から本来のスパーバンタム級に挙げて2階級制覇を狙う。西岡は「まとまったうまい選手だが、頭を使って勝ちたい」と話した。先月には33歳となったが「あと5年はできる。前回以上のインパクトあるKOで圧倒的強さをアピールしたい」。ホームカミングと銘打たれた凱旋(がいせん)防衛戦を、あこがれてきた本場でのビッグマッチ実現へのステップにする。【河合香】