<プロボクシング:WBC世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦>◇26日◇米ロサンゼルス・ステープルスセンター◇観衆約1万5000人

 WBC世界ヘビー級王者ビタリ・クリチコ(38=ウクライナ)が、10回TKOで2度目の防衛に成功した。27日に米ロサンゼルスで、同級1位クリス・アレオラ(28=米国)と対戦。サイズとパワーを生かし、初回から左ジャブで圧倒して懐に入らせず。終始この展開でポイントをリードすると、相手陣営のギブアップで10回終了TKO勝ちした。クリチコは38勝(37KO)2敗。

 クリチコはリーチ10センチ差で、開始から堅いガードを突き破って左ジャブを浴びせた。2回で相手の顔を真っ赤にさせ、8回には鼻血を出させた。アレオラは27戦全勝で、メキシコ系初のヘビー級王者がかかっていた。その野望を左腕1本ではね返した。ダウンは奪えなかったが「ジャブとフットワークで試合を支配できた」と狙い通りの勝利。4年のブランクを経て昨年3度目の王座についた。白人ホープを問題にせず、38歳にも衰えを感じさせなかった。