WBC世界バンタム級王者長谷川穂積(28=真正)が20日、神戸市内で会見し、12月18日に神戸ワールド記念ホールで10度目の防衛戦を行うと発表した。相手のエリック・モレル(プエルトリコ)はWBO(日本未公認)同級1位で、元WBA世界フライ級王者。長谷川は「バンタム級でやってきたすべてを出したい」と階級アップを視野に入れ、節目のV10を5連続KOで「卒業試合」にする考えだ。

 99年11月のプロデビューから10年目。長谷川は10度目の防衛戦について、会見中に3度も「区切り」と表現した。「区切りの10年目で10回目。バンタム級でやってきたことすべてを出したい。自分の10年間をぶつけたいと思います」。

 バンタム級の「卒業試合」にする覚悟だ。王者となって4年半。最近は10キロ以上の減量に苦しみ、階級アップを希望。王者は「自分の中で思い描いていることがありますので、勝ったあとに報告できれば」と、スーパーバンタム級や2階級上のフェザー級転向まで視野に入れる。

 相手のモレルは、WBA世界フライ級王座を5度防衛の実績があり、「小さな鋼の拳」の異名を持つ技巧派だ。長谷川は「今までやった中で最高にうまい選手」と警戒しながら「頭がええ方が勝つでしょう。自信はありますから」とニヤリとした。

 試合2日前の12月16日には29歳となる。会場のワールド記念ホールでは過去3戦すべてにKO勝ち。「(モレルは)倒れたことないと聞いてますし、見に来てくれる方にKOで応えたい」。5連続KOで誕生日のケーキとベルトを両手にするつもりだ。【近間康隆】