WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志(30=ワタナベ)が、「違い」を見せて同階級のジンクスを破る。30日、都内で会見を行い、9月20日にさいたまコミュニティアリーナで、同級5位ムクリス(インドネシア)と2度目の防衛戦を行うことを発表した。

 5日後の同25日には東京ビッグサイトでWBAフライ級王者亀田大毅(亀田)と元王者坂田健史(協栄)の世界戦が行われる。注目の一戦直前の防衛戦になるが、渡辺会長は「階級が違うけど比較できるからいい。内山は分かりやすく強いって思えるから。内山イコールKOで」と不敵に笑った。

 V2戦の時期は大毅-坂田戦の公式行事とも重なる。ボクシング熱が高まるだけに、内山陣営は5連続KO中でKO率80%の強打をアピールする絶好機ととらえている。内山も「僕も注目してもらえれば」と歓迎。会長の“KO要請”には「僕イコールマイペース。何を言われても変わんないです」と笑顔でかわした。

 同階級でV2を達成すれば、日本人ジム所属選手では74年の柴田国明(ヨネクラ)以来36年ぶりの快挙となる。「価値ある1勝になりますね。もちろん勝ちます」と内山。会見はスーツ姿で登場し、会見前にはいつも通り「よろしくお願いします」と頭を下げた。過激な発言もパフォーマンスも一切ないが、世間のハートをつかんで36年の壁を飛び越えられるだけの、硬い拳と強い意思がある。【浜本卓也】