<新日本:G1クライマックス開幕戦>◇6日◇東京・後楽園ホール◇観衆1900人

 今年で20回目を迎える新日本の真夏の祭典「G1クライマックス」が開幕し、新鋭の内藤哲也(28)がIWGP王者の真壁刀義(37)を破る大金星を挙げた。キングコングニーを失敗して動きの鈍った真壁をとらえ、高角度前方回転エビ固で14分34秒、フォール勝ちした。メキシコ修行でひと回り大きくなった若手成長株はデビュー4年目での最速G1制覇を目指す。

 デビュー4年目の内藤は勝機を逃さなかった。真壁の必殺キングコングニーを回避。マットに両ひざをたたきつけて動きが少しだけ鈍くなった王者のラリアットもかわした。そのまま両足で真壁の頭部をつかむと、一気に丸め込んだ。高角度前方回転エビ固めで3カウントを奪取。大金星にざわめく会場内のファンの反応に「みんなにとっては波乱が起きた?

 オレにとっちゃ何の波乱もないよ」と堂々と言い放った。

 06年5月にデビューし、08年に高橋裕二郎とのコンビ「NO

 LIMIT」を結成。当初はジュニアで戦ってきた。09年に高橋との米国、メキシコ長期遠征を契機にヘビー級転向。今年1月4日の東京ドーム大会で凱旋(がいせん)し、IWGPタッグ王座も奪取した。シングルでは今年のニュージャパン杯4強が最高成績。メキシコマットでヒールとして戦い、反則攻撃もこなしてきた。その悪役のにおいが影響し、新日本ファンに受け入れられにくかったが、現王者撃破は最高のアピールになった。

 自称スーパースターの真壁を皮肉り「本当のスーパースターはここにいる。記録を作りたい」と宣言した。最短キャリアでのG1制覇に向け、内藤が今夏を突っ走る。【藤中栄二】