<新日本:両国大会>◇11日◇東京・両国国技館◇8800人

 新日本両国大会が11日、行われ、IWGPヘビー級選手権試合は、挑戦者の小島聡(40=フリー)が、王者真壁刀義を破って新王者になった。序盤はテーブルやイスを自ら持ち出し、真壁が得意なハードコア戦に挑戦。キングコングハンマーや原爆固めを耐え抜くと、19分12秒、ラリアットからの片エビ固めで王者を撃破した。IWGP奪還は、全日本時代の05年以来。「ベルトはおれがずっと守る。取れるもんなら取ってみろバカヤロー!」と小島節をさく裂させた。

 「プロレスは非日常」が口ぐせの真壁と対照的に、家族という「日常」を背負って戦った。試合前日は、娘の幼稚園の運動会。けがも顧みず、騎馬戦に出た。試合に負けると、いつも「負けるときもあるよ」となぐさめてくれる娘への恩返しだった。娘の4歳の誕生日でもあった。「おもちゃを買ってあげたんですけど、もう1つあげたいものがあった」。最高のプレゼントに表情をほころばせた。

 初防衛戦の相手には中邑真輔を指名した。優勝した8月のG1で敗れており、「とにかく真輔なんだ」と熱望した。一方で新日本の菅林直樹社長は「今のところは後藤(洋央紀)」と食い違っており、今後の動向が注目される。【森本隆】