WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(34=帝拳)のV6戦が事実上の統一戦になる可能性が出てきた。同級1位ムンロー(英国)戦翌日の25日、帝拳ジムの本田明彦会長(63)は日本未公認の国際ボクシング連盟(IBF)同級王者スティーブ・モリター(30=カナダ)も次戦の相手候補の1人だと明かした。4月に長谷川穂積(真正)を下した3階級制覇王者で現WBC・WBO世界バンタム級王者フェルナンド・モンティエル(31=メキシコ)とも交渉に入る予定で、来年3月ごろとみられる西岡のV6戦はビッグマッチになること必至だ。

 最強挑戦者ムンローを圧勝判定で一蹴した西岡のV6戦の相手に、新たな強豪の名前が挙がった。帝拳ジムの本田会長は、次戦の相手に日本未公認団体であるIBFの同級王者モリターをリストアップ。3階級制覇王者モンティエルとも交渉を開始するとした上で「モリターはビッグマッチをしたがっているらしいし、可能性はある。まだ交渉はしていないが“統一戦”なら(4月の)長谷川君の時のような特例でOKになるだろうと思う」と語った。

 モリターとの事実上の統一戦となれば、長谷川のV11を阻止したモンティエルとの「敵討ち」戦と同じぐらいのビッグマッチになる。モリターは170センチのサウスポーで、戦績は33勝(12KO)1敗。国際マッチメーカーのジョー小泉氏は「テクニシャンタイプ」と説明する。長谷川-モンティエル戦のように「現役世界王者対決」となれば、ハイレベルな攻防で盛り上がることは必至だろう。

 西岡も強豪との対戦を改めて熱望した。一夜明け会見で、最も戦いたい相手を聞かれると「モンティエルです。3階級制覇しているし高い技術を持っている。次にやれるなら次でもいい」と即答。「どこまで強くなれるかが、一番のモチベーション。強い相手とやるのはワクワクします」と自分を高めてくれる強敵との対戦を望んだ。

 次戦は来年3月ごろを予定している。本田会長は「モリターだと日本。モンティエルだとメキシコの可能性もある。西岡は強い相手じゃないとモチベーションを保てないみたい。時間はあるし、いい相手にします」と最強王者の道を突き進む西岡にふさわしい相手を選ぶ構えだ。【浜本卓也】