総合格闘家・石井慧(23=アイダッシュ)が試合前日の相手変更に面食らった。8日、K-1

 WORLD

 MAX決勝戦(東京・両国国技館)で対戦予定だったアンズ“ノトリアス”ナンセン(27=ニュージーランド)の手の故障発覚によるドクターストップ欠場で、急きょ柴田勝頼(30=Laughter7)との無差別級ワンマッチに変更された。7日に都内ホテルで会見に臨んだ石井は困惑ムード。柴田から提案されたK-1ルール変更も即座に断るなど、タジタジな劣勢状態となった。

 気持ちの整理がつかなかったのか。この日午後、都内ホテルで行われたカード変更会見に臨んだ石井は困惑気味に壇上で柴田と並んだ。「ナンセン選手で調整してきたので戸惑いましたが、気持ちを早く切り替えたい」と声を絞り出した。9月25日のミノワマン戦に続く、プロレスラーとの激突を報道陣から問われたが「前回に続いて、え~と…頑張ります」と言葉を詰まらせるほど戸惑っていた。

 ナンセン欠場が決まったのは6日夜だった。7日午前に代替選手が2人に絞り込まれ、最終的にK-1谷川イベントプロデューサーも推薦した柴田との対戦を決断した。両者が最終合意したのは同日昼すぎ。その約2時間後に発表会見となるドタバタぶりだった。デビューから通算5試合という経験不足の石井にとって初体験のハプニング。5日の公開練習では「寝技、組み技をせずにナンセンと戦うと約束します」と打撃勝負を公約したが、この日は「今回は決まってから間がないので何も考えていない」と意気消沈していた。

 柴田から受けた突然の提案にものまれた。「試合が決まって間もないボクがいうのも何ですが、K-1ルールでいいですよ」と誘われたが、石井は即座に「え~、総合ルールでお願いします」とタジタジ状態。押されまくり、余裕もなかったのか「柴田選手を倒して小川直也を引きずり出したい」と言い返すのが、精いっぱいだった。会見後、石井-柴田戦は第1試合に決まった。興行を盛り上げる重要な役目も任された。ハプニングがあったにせよ、柴田は20キロ近く軽量の相手。大みそかDynamite!!出撃に向けた「査定」もかかっているだけに内容と勝敗が問われる。石井には試練の一戦となった。【藤中栄二】