<K-1ワールドMAX>◇8日◇東京・両国国技館◇9189人

 石井慧(23=アイダッシュ)が技術向上の片りんをみせて快勝した。試合前日に対戦が決まった柴田勝頼(30=Laughter7)と総合ルールで激突。テークダウン後、素早いグラウンド技術を駆使して敵の左腕をつかみ、1回3分30秒、腕固めで1本勝ちした。重圧から解放された石井は米団体から年末興行の出場オファーが届いたことを明かした。またK-1谷川貞治イベントプロデューサー(EP)も大みそかDynamite!!出場のラブコールを送った。

 試合前日の対戦相手変更、殴り合いを期待する声…さまざまな重圧を乗り越えて勝利した石井は解放感に浸った。試合後、米国の総合格闘技団体から年末興行のオファーを受けていることを明かした。団体名を伏せた上で「年末は米国のオファーがありますから明後日の便で(米国に)帰り、練習を再開します」と宣言し、元UFCライトヘビー級王者ティト・オーティズ(35=米国)との対戦を熱望した。

 石井の発言を受け、K-1谷川EPも即座に反応した。大みそかDynamite!!に向け、愛情たっぷりのラブコールを送った。「石井選手にはDynamite!!に出てもらいたい。オーティズ戦?

 もっとバリバリの大物とやってもらいたいと思いますよ」と、話題性のあるマッチメークを用意していることを示唆した。年の瀬に石井の試合を巡り、日米興行団体の争奪戦が繰り広げられる可能性も出てきた。

 柴田戦では進化の一端をみせた。軽い打撃の攻防から相手の足を刈ってテークダウン。体重で16キロ軽い柴田の動きに合わせ、スムーズに横四方固め、上四方固めの体勢へと移行。相手の左腕をとらえ、腕固めで1本勝ち。会場のブーイングにも負けず、リング上でマイクを握った。

 石井

 (運を)持ってる、持っていると言われてきましたが、この試合が終わって考えて分かりました。確かに盛っていました。話を盛る癖があります。「持ってる」と「盛ってる」をかけて笑いを誘おうとする余裕さえみせた。

 大みそかDynamite!!出撃が有力視されるが、石井の発言で米興行団体からの熱視線もあることが判明。大みそかに向け、今後の動向からは目が離せなくなってきた。【藤中栄二】