<戦極ソウル・オブ・ファイト>◇30日◇東京・有明コロシアム

 メーンのSRCフェザー級チャンピオンシップは、挑戦者の日沖発(27=ALIVE)が王者マルロン・サンドロ(33=ブラジル)を3-0の判定で下す金星で、新王者に就いた。相手の素早い打撃をかわし、得意の寝技で優勢に。5回には関節技を繰り出し、1本寸前に追い込む完勝だった。

 絶対に離すつもりはなかった。日沖が決死の形相で、サンドロの腕に食らい付いた。5回終盤の寝技の攻防。背後から覆いかぶさるように右腕を取り、羽根折り腕固めへ。体勢が崩れかかると、すぐ腕ひしぎ逆十字固めへと移行した。もう勝利は間違いない。それでも「頭の中では次の展開を描いていた。レフェリーには『試合を止めないと折れちゃうよ』とアピールしました」と言うほど、最後まで冷静だった。

 28試合、56選手で行われた9時間超のマラソンイベントを、壮絶な試合で締めた。3回、跳びひざ蹴りから馬乗り状態でパウンド、腕固めと、流れる攻撃を披露。ラウンド終了後、サンドロが立てなくなるほど体力を奪い「削るのは作戦通りだった」と会心の笑みを見せた。安定政権を築くと思われた王者に、ジャッジ1人が7点もの大差をつける完勝だった。

 初代王者を決める昨年のフェザー級トーナメントでは、決勝まで進みながら無念のドクターストップ。1年待ってつかんだ王座挑戦のチャンスだった。10月からは動体視力のトレーニングを始め、「(相手の動きを)イメージする力が付いた」と万全を期して臨んだ。サンドロ、金原ら強豪ひしめくフェザー級の頂点に立ち、「ベルトは重いですね」とはにかんだ。【森本隆】