WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(31=ワタナベ)が1日、右手を脱臼していたことが分かった。8回TKO勝利で3度目の防衛に成功した1月31日の三浦隆司(横浜光)戦で負傷。一夜明けたこの日、都内の病院で精密検査を受け「右手根骨と中手骨の脱臼」と診断された。検査後に関節をはめる整復術を受け、ギプスで患部を固定する1カ月間は、完全休養することになった。

 内山は三浦戦の2回に負傷。左手1本で苦戦を強いられた。それでも王座奪取から4試合連続KO勝利。プロ戦績17勝(14KO)無敗のKO率82・3%は、日本ジム所属の世界王者で歴代1位となった。当初は骨折の疑いがあり、7月中旬に予定している4度目の防衛戦への影響が懸念されていただけに、内山は「安心しました。ずっと拳を休ませていなかったので、しっかり治したい」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

 過去にはサルガドやムクリスといった猛者に顔面骨折を負わせた内山。今回は有り余る破壊力に自身の右拳が耐えきれなかった。昨年は3度の世界戦をこなしたが、所属ジムの渡辺会長は「これを機に、年2回に減らそうと思う。右のパンチも今後は6割の力で打つように伝えた」とペースダウンを検討する考えだ。【山下健二郎】