国内最速7戦目での世界王座獲得を狙うWBCミニマム級10位の井岡一翔(21=井岡)が、母校の応援を力に変える。11日の王者オーレドン(25=タイ)挑戦を前に8日、大阪市内で練習を公開。世界戦当日には、母校の大阪・興国高や、中退した東農大からも応援に来場する予定だ。

 4回戦プロボクサーを相手にした2回の公開スパーリング。軽く流していた井岡は、体が温まると、ラスト30秒にアクセルを踏んだ。スピード感あふれるパンチで王者陣営の視線もくぎ付けにした。本来のライトフライ級から1階級下げた減量は過酷だが、足は動き、顔色も良好だった。

 井岡

 順調に調整できている。体重を落とすのも、想像以上にしんどくない。今はいいイメージしか湧かない。自信はある。試合が楽しみ。早くやりたい。

 そんな井岡に頼もしい援軍がやってくる。試合には母校の興国高から応援団が集結する。試合当日の11日が同校の入学試験日と重なるが、在校生、OBのほかに教職員も会場の神戸ワールド記念ホールで観戦というだけに、期待の高さがうかがえる。人数は判明分だけで約100人にのぼる。当日はもっと膨れあがりそうだ。

 球界で話題の日本ハム斎藤佑樹投手とは同学年。勝てば、平成生まれで国内初の世界王者となる。辰吉丈一郎、名城信男の8戦目戴冠を超える歴史的快挙を、多くの「証人」の前で達成する。【大池和幸】