WBC世界フェザー級王者長谷川穂積(30=真正)が初防衛戦でメーンを務めるトリプル世界戦の会場変更が24日、発表された。東日本大震災の影響を考慮、日程は4月8日のままで、会場を東京・両国国技館から神戸・ワールド記念ホールに移し「復興支援チャリティーマッチ

 頑張ろうニッポン」と銘打ち、興行収益の一部を義援金にする。

 長引く余震、観客、選手の安全確保を検討した末、会場変更は前日23日に急きょ決定。同ジムの山下会長によると、同ホールのスケジュールが「4月8日だけ、奇跡のように空いていた」という。

 神戸は16年前、阪神・淡路大震災に見舞われた。兵庫生まれの長谷川には運命的な地元開催だ。長谷川は「ボクシングをやっていいのか、とも思った。その答えは見つかりません。でも、被災者の方の中に、1人でも楽しみにしてくださる方がいるのなら、十分にやる価値はあると思う。一瞬でも笑顔を取り戻してほしい。場所は神戸ですが、気持ちは同じです」と話した。戦う姿が、少しでも被災者の力に変わることを願って、神戸のリングに立つ。【加藤裕一】