WBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃(34=帝拳)が28日間にわたるホテル生活で自らを追い込み、V6成功を目指す。8日に神戸ワールド記念ホールで、同級6位マウリシオ・ムニョス(25=アルゼンチン)との6度目の防衛戦を控える西岡は1日、都内の帝拳ジムで練習を公開。先月11日の東日本大震災翌日からホテル生活を続けていたことを明かした。

 先月11日の東日本大震災の翌日から都内の自宅を離れた。計画停電で電車移動に影響が出る恐れもあったためで「ジムがホテルを用意してくれました」と感謝した。現在は美帆夫人と長女小姫ちゃんを兵庫・尼崎市に残し都内で単身で生活。さらにホテル生活となれば精神的負担も増えるはずだが、西岡は「問題ないです」。雑念を排除し、ストイックなまでにV6戦に集中している。

 同日夜には空路で神戸入りしたが、妻子の待つ尼崎市ではなく、神戸市内のホテルにチェックインした。「子供に状況は分からないでしょうし、何よりも試合が第一。試合が終わったらいくらでも会えますから」と西岡。試合当日までホテル生活を継続するという。先月12日から8日まで28日間、ホテルでの生活で減量と闘いながら精神統一し、充電し続けたエネルギーをムニョス戦にぶつける意気込みだ。【藤中栄二】