<プロボクシング:亀田三兄弟全国行脚壱in沖縄>◇2日◇沖縄県立武道館

 WBA世界スーパーフライ級1位の亀田大毅(22=亀田)が、2階級制覇へKO勝利で再スタートを切った。同フライ級王座を返上し階級を上げた初戦で元WBC米大陸王者ヘスス・マルティネス(35=メキシコ)に5回37秒、左ボディーを2発たたき込んでダウンを奪い約1年半ぶりのKO勝ちを収めた。戦績は20勝(12KO)2敗。東日本大震災の復興支援イベントで、収益金の一部が寄付された。

 5回、大毅は「動き回る相手には力強いボディーや」と勝負へ出た。マルティネスとの間合いを詰め、左ボディーブロー2連発。リングに沈めて、09年8月のクアドロス(メキシコ)戦以来のKO勝利を飾った。最大12キロの減量に苦しみ、判定決着が続いたフライ級時代とは違う。「ボクシングが楽しいと思えたのは久しぶりやな」と笑った。

 パンツの腰に「集まれ!日本の力!」と直筆で書き込んでリングに立った。「KO勝利をプレゼントしたかった。自分の拳で勇気や希望を伝えられたら」。早々にファイトマネーの全額寄付を決断。試合会場ではWBA世界バンタム級王者の兄興毅と弟和毅も募金箱を手に、義援金活動を行った。

 もっともマルティネスは元米大陸王者とはいえ今は世界ランク外。「内容はまだまだ。コーナーに追い詰めてから確実に3発決めるようにならないと」と課題を口にした。今夏に再びノンタイトル戦をこなし、12月にも2階級制覇に挑む。【山下健二郎】