<プロボクシング:日本フェザー級タイトルマッチ10回戦>◇2日◇東京・後楽園ホール

 日本トリプルタイトル戦が行われ、東日本大震災の影響の大きかった福島・いわき市出身の日本フェザー級王者細野悟(27)が2度目の防衛に成功した。また同じく震災の影響が出た岩手・北上市出身の日本ミニマム級王者八重樫東(28)も3度目の防衛、日本スーパーフェザー級王者岡田誠一(28=すべて大橋)も初防衛に成功した。

 V3防衛に成功した日本フェザー級王者細野は、被災した家族らを思い浮かべながら喜びをかみしめた。福島原発から約50キロ離れたいわき市内に住む両親が震災から4~5日間、消息不明となった。何とか家族を横浜市に避難させたが、生鮮食品の卸売業が仕事の父正吉さんだけは被災地に戻った。被災地から父親ら約20人の後援者に貸し切りバスで応援に駆けつけてもらった細野は「試合延期の可能性もあった。こみ上げるような喜びがある」と口にした。