WBC世界フェザー級王者・長谷川穂積(30=真正)に「指名試合2戦」という異例のノルマが課されていることが5日、分かった。8日のトリプル世界戦では同級1位ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)と指名試合となる初防衛戦。これをクリアしても、次戦以降にもWBCから指名試合の消化をもう1戦義務づけられていることが判明した。この日は神戸市内で出場6選手による予備検診が行われた。

 長谷川にいばらの防衛ロードが待っていた。今回のトリプル世界戦をプロモートする帝拳ジムの本田明彦会長は、ゴンサレス戦後の見通しについて「指名試合は2つと言われている」と明かした。近年はこの階級の指名試合が滞っており、WBCから異例の指示が下されたとみられる。今回の指名試合に勝っても、2戦連続での指名試合を迎える可能性が出てきた。

 その際に第1候補となるのは休養王者エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)との王座統一戦。交渉で折り合いがつかない場合、他のランキング上位者が挑戦者となるケースも考えられる。いずれにせよ、気の抜けない相手が控えている。

 本田会長はV2戦に関してWBAや、WBO(世界ボクシング機構)IBF(国際ボクシング連盟=ともに日本未公認)といった他のメジャー団体王者との統一戦になる可能性は否定。ただし「指名試合2戦」のノルマをクリアしていけば、そんなビッグマッチへの道筋が開けてきそうだ。

 予備検診で長谷川はゴンサレスと初対面。「ますますいい試合をしたいと思った」と心にスイッチが入った。さらに「あと2試合くらいすれば、フェザー級の体が出来上がる」と言った。ゴンサレス戦をまずはクリアし、日本中に明るい話題を提供する。