28日開催のIGF「GENOME15」(東京・東京ドームシティホール)でジェロム・レバンナと対戦する鈴川真一(27=元幕内若麒麟)は16日、都内で会見し八百長を認めて引退した大相撲元幕内、元千代白鵬(27=本名柿内大樹)の来場を明かした。「誘ったら、来ると言っていた」。アントニオ猪木IGF会長(68)も「プロレスに向いている選手は、どんどんくればいい」と全面バックアップを約束した。

 元千代白鵬の柿内氏の携帯電話が鳴り、友人との会話でプロレスとのつながりがうまれた。この日、鈴川は「K-1番長」ジェロム・レバンナとの対戦を発表。その席で、八百長問題で処分された力士について聞かれ、柿内氏の携帯に連絡したことを明かした。「自分から電話して、見に来るように誘ってOKをもらった。あと、何人か来ると思う」と話した。

 鈴川は09年1月に、大麻取締法違反(所持)で逮捕されて引退。懲役10月、執行猶予3年の判決を受けて、昨年9月にIGF「GENOME13」でデビューした。「よく分からないんですが、相撲時代は『やりすぎだ、プロレスへ行け』と、よく言われていた。自分は角界を追われた身ですが、千代白鵬(柿内氏)も来るでしょう」と、同じ相撲界ドロップアウトの仲間にエールを送った。

 猪木会長も「俺は(相撲界に)つながりがないけど、鈴川が全員連れてくればいい」と大乗り気。「もともとプロレスには、柔道派と相撲派がいる。その中で、プロレスに向く選手がいると思う」と分析。柿内氏は、中学時代に柔道で鳴らし、相撲で幕内まで務めた。腕っぷしの強さは柔道時代から知れ渡っており、運動能力も非凡なものがある。

 「大震災に遭った被災地とともに、人気低迷のプロレス界の復興をしなければいけない」と使命感を持つ猪木会長にとり、柿内氏はぜひ欲しい人材。柿内氏は八百長関与を認め、若くして角界を去ることになった。自業自得とはいえ、まだ若い柿内氏に対する世間の目は、厳しいものばかりではないと信じたい。「プロレスラー千代白鵬」が、28日にも誕生する。