東日本大震災の被災地で、震災後初めてプロレスが行われる。ゼロワンは22日、都内で会見を開き、来月3日に被災地の宮城県亘理町で東日本大震災・復興チャリティーイベント「元気プロレス」を無料で開催すると発表した。社長の大谷晋二郎(38)が橋本大地(19)らと救援物資を持参して現地入りする。同町の「パチンコ玉三郎亘理店」駐車場の特設イベント広場で、プロレス2試合のほか、子どもプロレス教室、炊き出し、プレゼント大会を行う。

 亘理町は仙台の南約30キロメートル。先月11日の大震災で10メートルを超える津波の被害を受けたが、復興への第1歩として、大谷にプロレス開催を要請。会場のパチンコ玉三郎の本拠は新潟県。07年の中越沖地震の翌年から、ゼロワンは毎年チャリティープロレスを行っており、その関係から「プロレスを見せてくれ」との声がかかった。

 大谷は「復興の気持ちになってきた時こそ、プロレスの出番だと思っていた。望まれて行かないわけにはいかない。言葉にならない使命感を感じる。プロレスの力で被災者の方々に元気を与えたい」。橋本も「何かをしなければと思っていた。自分たちが頑張ることで元気を出してもらえるなら、いくらでも頑張ります」と話した。

 ゼロワンには、他にも被災者が避難している福島・郡山、茨城・つくばからも開催要請が来ている。大谷は「要請があれば、どこでもできる限り行く」と言った。【小谷野俊哉】