WBC女子世界ミニフライ級3位の藤岡奈穂子(35=竹原&畑山)が6日、「凱旋(がいせん)帰郷」での復興支援を誓った。明日8日のトリプル世界戦(東京・後楽園ホール)で、同級王者アナベル・オルティス(24=メキシコ)に挑戦。この日、都内で予備検診を受け、異常なしと診断された。東日本大震災の被災地・宮城県大崎市出身。当日に上京する応援団の前でベルトを手にし、郷里で支援活動を行うプランを温めている。

 胸の内の去来するさまざまな思いを、ようやくリングの上でぶつけられる。藤岡は「私にとって、さらに特別な試合となりました。勝つしかない」と闘志をたぎらせた。初めて挑む世界戦。念願のベルトを披露したい人々がいる。住宅4000棟以上が損壊するなど被害に遭った、郷里の大崎市に持ち帰ると決めた。

 実家は無事だったが、いまだに連絡のつかない知人もいる。練習に集中できない時期もあったが「故郷の方々から逆に、楽しみにしているから頑張ってと励まされた」という。震災後まだ再会できていない両親や友人など40人以上の応援団が来場予定で「(つかの間でも)震災のことを忘れて、元気を出してほしい」と願う。今月中旬には、所属ジム関係者とともに帰郷。炊き出しなどの支援活動を行うつもりだ。