ボクシングWBC世界ミニマム級王者・井岡一翔(22=井岡)が「思い出の地」で8月の初防衛戦に向けた収穫を得た。21日、神戸市内のVADYジムに出向き日本ライトフライ級1位佐野友樹(松田)と8回のスパーリング。神戸といえば2月に国内最速7戦目で世界王座奪取した場所。そんな思いも動きを加速させたのか、スピードとテクニックで圧倒した。佐野に「やっぱり強い」と脱帽させ「世界王者として、日本ランカーとの差を見せないといけない自覚があった」と心地よい汗をぬぐった。

 スタミナ面を初防衛戦への課題に掲げるが、スパーリング終盤になっても動きが鈍ることはなかった。試合まで約2カ月の現段階としては上々の内容だ。パンチを2発浴びただけでトレーナーの父一法氏から怒られるなど、求める理想は高い。26日からは和歌山・白浜で再び合宿に突入。「もっと追い込める体を作りたい。このスパーリングをひとつのきっかけにできれば」と貪欲な姿勢を示した。【大池和幸】