WBA世界スーパーバンタム級王者下田昭文(26=帝拳)が「挑戦者カラー」で初防衛成功を狙う。来月9日(日本時間10日)、米アトランティックシティーで同級1位リコ・ラモス(23=米国)の挑戦を受ける下田は28日、前線基地の米ラスベガスへ出発。V1戦で着用するガウン、トランクス、シューズを青色でそろえたことを明かした。

 通常ならば王者は赤、挑戦者は青が基本だが、下田は「日本人の世界王者が米国本土で防衛戦をやるのは初めて。先陣をきっての挑戦でもあるし、挑戦者としていきます」と説明した。防衛戦とはいえ、敵地では不利に感じることも少なくない。その不安を一掃するように「リコ・ラモスから全部はぎとってやるぐらいの心境。その決意は強いです」と口調を強めた。

 ラスベガスはボクサーとしての岐路に立たされた09年に計4カ月間修業した思い出の地。その当時の宿舎に近いホテルに宿泊する予定。「自分は不利な状況ほど力を発揮してきた。それを信じたいと思う」。2年前のハングリーさを思い出しながら、挑戦者の気持ちで最終調整に集中する意気込みを示した。【藤中栄二】