<新日本:G1クライマックス>◇13日◇東京・後楽園ホール◇A、Bブロック公式戦9試合◇2015人

 伏兵の矢野通(33)が番狂わせを起こした。優勝候補で勝てば決勝進出が決まったIWGPヘビー級王者の棚橋弘至(34)に16分57秒、フォール勝ちした。Aブロックは勝ち点12の棚橋に続き、矢野、真壁刀義(38)永田裕志(43)内藤哲也(29)高山善広(44)の5人が勝ち点10で追走。

 矢野が反則を絡めた攻撃で首位の棚橋を止めた。棚橋のハイフライフローを両ひざでブロック。椅子で殴って流血させ、最後は変型パワーボム鬼殺し、変型サイドバスター鏡割りと畳み掛けてとどめを刺した。

 昨年6月に棚橋との髪切りマッチに敗れて丸刈りにされた。リベンジを期した今回は、前半にレスリング技術を駆使して攻め、勝負どころで反則技を使って、相手のリズムを崩した。この勝利で棚橋のこの日の決勝進出決定を阻み、自ら決勝進出の可能性を残した。

 超満員のファンの「矢野コール」を浴びた矢野は、「バカヤロー。去年はIWGP王者の真壁に勝った。今年は棚橋に勝った。怖くなかったら、挑戦させてみろ」とほえた。逆転のG1制覇、IWGP王座奪取へと照準を定めた。【小谷野俊哉】