金髪の悪党・矢野通(33)が、新日本の主役に躍り出る。今日22日に東京・後楽園ホールでG1タッグリーグが開幕。来月12日の大阪大会で棚橋弘至(34)のIWGPヘビー級王座に初挑戦する矢野は、中邑真輔(31)と組んで、開幕戦から棚橋、後藤洋央紀(32)組と優勝候補対決。「IWGPの前哨戦、優勝するしかねえ」という矢野に勝算を聞いた。

 今月10日の両国大会。防衛に成功した棚橋を襲い、ベルトごと挑戦権を強奪。厳重に保管されたベルトはIWGPを矢野のYのYWGPに、チャンピオン名を「ヤノートールー」と、油性ペンで書いた粘着テープを張り付けている。

 「俺が挑戦じゃねぇ。俺様のYWGPに挑戦だ。棚橋は底の浅い男。チャラくしてても、欠点はくそまじめなとこ。リングの動きは全部予測可能。どこをつけばいいかはバッチリ。疲れてるみたいだから、ここらで休ませてやるよ」

 2年前にヒール軍団ケイオスを結成。神の子・中邑、狂乱ファイター飯塚高史、多重人格ヒデオ・サイトーと、強烈な個性集団。アマレスの実績に裏付けされた知性と、広い視野でコントロールする。「基本は『好き勝手にやってくれ』。中邑には好きにやってもらって、俺がうまく受ける。こぼしそうになったところを、すくってやる。俺が中心の歯車になって回してんだよ」と自信を見せる。

 昨年6月、棚橋に負けて丸刈りになった。リベンジを誓う矢野に棚橋は「俺が勝ったら、今度は矢野を同じ髪形にする」とロン毛を強制。「バカ言ってんじゃねぇよ。棚橋の髪の毛を刈って、ヅラ(かつら)をつくるんだよ。丸刈りにして、そのヅラをかぶせてやる」。丸刈り専門店「バーバー矢野」はアフターケアもバッチリだ。【小谷野俊哉】