<プロボクシング:WBO世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇12日(日本時間13日)◇米ラスベガス

 MGMグランドガーデン・アリーナ

 6階級制覇王者でWBO世界ウエルター級王者のマニー・パッキャオ(32=フィリピン)が、3度目の対決で宿敵に決着をつけた。過去の対戦で1勝1分けの3階級制覇王者でWBA、WBO世界ライト級王者ファン・マヌエル・マルケス(38=メキシコ)の挑戦を受け、相手のカウンターに苦戦しながらも、2-0の判定で辛うじて勝利を収め、3度目の防衛に成功した。次戦は来年5月、不敗の5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(34=米国)との総額100億円のビッグマッチが最有力となった。

 パッキャオが意を決して倒しにかかった。試合終盤の9回、ガードを固めてカウンターを狙うマルケスとの距離を一気に詰める。得意の左ストレートに加え「この日のために右を鍛え上げてきた」と左アッパーからの右フックを顔面にたたき込んだ。反撃の強打をもらって下唇、右目の上をカットしながら打ち合い、ようやく観衆約1万6000人を総立ちにさせた。

 過去1勝1分けながら、2戦合計でわずか1ポイント差リードだったマルケス戦。3戦目も苦戦した。ダウンこそ奪えなかったが、アグレッシブな姿勢と手数でわずかに上回った。パッキャオは「今日、私が勝ったのは間違いない。強いパンチをもらったが、問題なかった。次戦は誰とでも戦う用意はある」と早くも次なる戦いを見据えた。

 もはや標的は1人しかいない。これまで何度も期待されながら実現しなかった、メイウェザーだ。有力プロモーターのボブ・アラム氏は試合後、両者の対戦について「マルケスとの対戦はこれで終わり。5月にビッグマッチを組む」と前向きな姿勢を示した。今回、パッキャオが手にしたファイトマネーは2200万ドル(約16億5000万円)で、有料放送収入を含めると20億円を超える。米国で絶大な人気を誇るメイウェザーとの対戦ならば、総額100億円規模。史上最強への戦いの舞台が、いよいよ近づいてきた。