WBA世界スーパーフライ級1位の亀田大毅(22=亀田)が2階級制覇後、同級休養王者の清水智信(30=金子)との因縁戦に臨む姿勢を示した。3兄弟そろい踏みの亀田祭りは今日7日、大阪府立体育会館で開催。6日に大阪の通天閣で前日計量に臨み、リミットでクリアした。計量ミスの失態で意気消沈した同級王者テーパリット・ゴーキャットジム(23=タイ)を下し、清水と統一戦で対戦する意欲をみせた。

 計量をクリアした大毅はすっきりした表情で100%ジュースを飲み干した。2階級制覇がかかる大一番だが、既にその先も頭に入れていた。WBA判断でテーパリットが暫定から正規王者に昇格。清水が正規から休養王者となったことに初めて言及し「順番と時期でしょ。いつでもやります」と断言した。王座奪取が前提条件だが、大毅は「あさってでも、しあさってでもやるよ」と冗談を交えながら、清水との王座統一戦に臨む姿勢を明確にした。

 8月の王座奪取の際に右眼窩(がんか)底を骨折した清水は11月、WBAから休養王者に認定された。しかし一方的な休養王者への変更を不服とし、日本ボクシングコミッション(JBC)に正規王者復帰を求めて質問状を提出した。WBAの暫定王座乱発を受け、JBCが暫定戦を認めない方針を亀田ジムに通達したことが発端。予期せぬ形で生まれた清水との因縁だが、大毅は「この階級で誰にも負けんと言えるように、明日は勝つ」と強調した。

 王者テーパリットが計量ミスの失態を犯し、精神的にも優位に立てた。しかし大毅は「王者の姿勢に何も言えない。オレも姿勢が悪いしな。まあ倒すだけやから」と大人の対応。兄興毅に続く、日本人史上9人目となる2階級制覇を達成することだけに集中していた。【藤中栄二】