WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(32=ワタナベ)がタフガイ挑戦者を倒し、日本記録を打ち立てる。7月16日、埼玉・ウイング・ハット春日部で行われる5度目の防衛戦の相手が、同級7位マイケル・ファレナス(フィリピン)に決まったことが14日、都内で発表された。KO負けが1度もないタフな相手に、世界戦6連続KOの日本記録を懸けて戦う。

 簡単な相手では意味がない。具志堅の持つ日本人最多の世界戦6連続KO記録のかかる一戦。内山が選んだのは、1度もKO負けのないファレナスだった。フィリピンでは世界6階級制覇王者パッキャオ、同4階級制覇王者ドネアに次ぐ存在。タフな上に「ハンマーパンチ」の異名もある強打の持ち主だが、内山に恐れはない。

 アマ時代にはゲームセンターのパンチ力測定器で一般人が200キロのところを700キロをマークし、測定器を崩壊した逸話もある。過去の世界戦の相手も骨折、失神と無傷で終わったものはいない。師匠の渡辺会長は「いくらタフでも、立っていたら危ないですよ」と逆に挑戦者の体を心配するほど。内山も「コンディションはすでに万全。来週でも試合ができる」と日本記録達成に自信を持った。

 将来的にはWBC王者粟生隆寛との団体王座統一戦が期待される。ファレナスは粟生と同じサウスポーで、身長も168センチとほぼ同じ体形。仮想の相手としても最適になる。「サウスポーは昔から好きなんです。(右の相手より)右ストレートが深く突き刺さるから、やりやすい。(粟生戦の)いい練習になればいい」。地元春日部で、日本記録を作れば、粟生とのビッグマッチに弾みがつくことは間違いない。【田口潤】