美人プロボクサーがボートレースの道へ-。元東洋太平洋女子スーパーフライ級王者の藤本りえ(29)がボートレーサーに挑戦することが25日、分かった。昨年4月に引退したが、第2の人生として同じプロの道を選んだ。

 男よりレースだった。ボクシング引退後、適齢期ということもあり、結婚を勧める声もあった。「まだ何かに挑戦を続けたい」。引退後、目標を見失っていたとき、知り合いのボートレーサーに話を聞いた。実際、ボートにも乗せてもらい、そのスリル、躍動感に酔いしれた。

 「“水上の格闘技”といいますが、ボクシングと同じで体を張るスポーツ。自分はすべてを懸ける競技が好き」。ボクシング時代の指導者だった協栄ジムの篠田誠司トレーナーも「気持ちが強く、前に前に攻めていくタイプ。ボートでもコーナーを攻めていくと思う」と適性に太鼓判を押した。

 元プロ選手として1次テストは免除されたため、6月11日からボートレーサー養成施設やまと学校(福岡・柳川市)で行われる2、3次テストに向け、勉強に励む。「プロになって慣れるまで、あと5年は結婚はいいです。記録より記憶に残る選手になりたい」。現役ボクサー時代のように目を輝かせた。

 ◆藤本(ふじもと)りえ

 1983年(昭58)3月11日、埼玉・上尾市生まれ。日女体大二階堂高3年時にボクシングを開始。08年2月、日本ボクシングコミッション(JBC)公認後、初のプロテストに合格。09年2月、東洋太平洋女子スーパーフライ級王座獲得。10年2月、WBA女子世界同級王者の天海ツナミに挑戦も8回TKO負け。11年4月に引退。163センチ。通算戦績は9勝(4KO)5敗2分け。