WBC世界ミニマム級王者の井岡一翔(23=井岡)が、年内にも2階級制覇を目指す方針であることが12日、分かった。20日のWBA王者・八重樫東(29)との団体王座統一戦を最後にミニマム級を卒業。勝てば2本のベルトを返上する意向で、1階級上のライトフライ級に転向し、陣営は年内の2階級制覇をもくろむ。井岡はこの日、大阪市内の所属ジムで練習を公開。八重樫戦の必勝を誓った。

 スター街道をひた走る井岡の、王座統一後の構想が明らかになった。元世界2階級王者の井岡弘樹ジム会長(43)はこの日「今回でこの階級はラスト」と明言した。八重樫に勝って日本初の統一王者となれば両王座を返上。その上で陣営は、年内の2階級制覇に向けて動きだしていく考えを示した。次なるターゲットは1階級上のライトフライ級の世界王座となる。

 井岡はこの日、八重樫との決戦について「自分としては通過点」とした。かねて3~4階級制覇が目標と公言。叔父と並ぶ2階級目を狙うのは早い方がいいと考えている。昨年大みそかには現在保持する王座の2度目の防衛に成功。今年の年末にも、再びビッグマッチの機会が巡ってくる可能性が浮上した。日本ジム所属では過去に9人が2階級制覇を達成している。

 井岡は公開練習で、ジム同僚の東洋太平洋ライトフライ級王者・宮崎亮との2回の軽めのスパーリングなどを披露。厳しい減量も順調で、練習後の体重は48・3キロと、リミットまで700グラムとなった。「いつもより早いペースかも。水分もきっちりとってるし、体調はいい」と話した。

 弘樹会長によれば前売り券は既に完売し、当日券を100枚ほど残すのみという。日本史上初のWBC・WBA王座統一戦だけに注目が集まっている。井岡は「負ける気はまったくしない。いつも通り普通に勝って、統一王者になる」と変わらず強気。先を見すえるだけに、ミニマム級の“卒業試合”でつまずくわけにはいかない。【大池和幸】