<プロボクシング:WBC世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦>◇8日(日本時間9日)◇モスクワ

 王者ビタリ・クリチコ(41=ウクライナ)が同級7位マヌエル・チャー(ドイツ)に4回2分4秒、レフェリーストップによるTKO勝利し、9度目の防衛に成功した。通算戦績は45勝(41KO)2敗。今後は引退し、政界に進出する。

 2メートルの41歳は最後まで強かった。2回2分すぎ、打ち下ろしの右ストレートで、27歳の全勝男からダウンを奪取。4回には左で、相手の右目上をカット。大流血となり、レフェリーストップによるTKO勝利となった。節目の試合を勝利で終えると「まだボクシングはできるが、グローブは置かなければならない」と引退を表明した。

 ウクライナの橋下徹だ。すでに第3野党「Udar」の党首で、10月にはウクライナの国会議員選挙に立候補予定。06年3月にはウクライナ・キエフ市長選に立候補も落選しただけに、2度目の政界挑戦に懸ける気持ちは強い。現在、弟ウラジミールはWBA、WBO、IBF同級王者だが、ビタリの引退で、ヘビー級のクリチコ兄弟時代は終わった。