次のタイトル戦はノーガードで勝つ。12月31日に東京・大田区総合体育館で2度目の防衛戦を行うWBC世界スーパーフライ級王者佐藤洋太(28=協栄)が15日、東京・新宿区の協栄ジムで公開練習を行った。スパーリングパートナーのウォーズ勝又(勝又)を相手に4ラウンド。だらりと両腕を下げ、首と上体の動きでパンチをかわし、次々と強打を打ち込んだ。

 これまでに200回を超えるスパーリングをこなし、そのほとんどでノーガード戦法を試している。それも対戦相手で東洋太平洋スーパーライト級5位の赤穂亮(横浜光)対策の一環だ。「赤穂君は技術はないが、パンチ力がある。怖いから、あえてガードを下げる」と佐藤。両手で顔を覆ってガードする戦い方は、一見安全策に見えるが、相手にとっては的が大きく、こちらの出すパンチもわかりやすいという逆転の発想だ。

 試合中にこぶしを振り回したり、ガードを下げて相手を挑発しているように見えるため、周囲からの批判も多い。母親の千葉りょうさん(61)からも「振り回すな。まじめにやれ」としかられたというが「これをやったら勝利に近づく。わが道をいく」と佐藤は全く意に介さない。【桝田朗】